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Invisible Grove
不可視の杜
名水の地・津南で100年続く酒蔵がある。苗場酒蔵を初めて訪れたのは、地元の人も「油断した」と苦笑いするほどの大雪に見舞われた直後で、山も街もすっぽり雪に包まれていた。苗場酒造は立派な木造の建物で、杉玉が軒先に吊り下げられている。大きな引き戸を開けると、芳醇な香りが流れてきた。ちょうど、お酒づくりの真っ最中。閉ざされた麹室の中で職人たちが黙々と作業しているに違いない。体ごと浮き上がりような香りの中を歩いていると、肉眼では見えない麹菌の存在を感じる。確かにここには麹の杜がある。
「越後妻有 大地の芸術祭 2022」(苗場酒造、新潟・津南)
“Echigo-Tsumari Art-Field 2022” (Naeba shuzo, Niigata)
Photo: Hayasaki Manami
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